建設業では複数の現場が同時に進行し、各現場の進捗・天候・発注変更によって必要人数が日々変動します。加えて、職人は「左官しかできない」「型枠と解体の両方できる」など技能の組み合わせが個人ごとに異なります。この複雑さを毎朝電話で調整している所長・現場監督の負担は相当なものです。
「人が足りた現場と余った現場」が同時に発生する
5現場を同時進行していると、A現場は人手不足・B現場は余剰が同じ日に起きることがあります。この不均衡を毎朝電話で解消するのに、現場監督が1〜2時間を費やしているケースがあります。
1. 建設業のシフト管理が難しい3つの理由
① 現場ごとの必要職種・人数が工程によって変わる
月初から月末まで毎日同じ配置でよい現場はほとんどありません。型枠工事の週、コンクリート打設の日、仕上げ工事の段階でそれぞれ必要な職種と人数が異なります。この変動をExcelで毎週更新するのは現実的ではありません。
② 職人の保有資格・技能が個人ごとに異なる
玉掛け・クレーン・足場組み立て・電気工事士など、各種資格が必要な作業があります。「この作業には有資格者が必要」という要件を満たすには、誰がどの資格を持っているかを即座に参照できる仕組みが必要です。
③ 天候・発注変更による当日の人員組み替え
雨天中止、発注者からの前倒し要求、材料の納入遅延——建設現場では当日朝に人員計画が変わることが日常的です。この変更を速やかに関係する職人全員に伝える手段が、今も電話・LINEでの個別連絡であることが多いです。
2. パシャシフトの設定手順
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現場をユニットとして登録する進行中の各現場をユニット(拠点)として登録します。各ユニットに「工事期間(開始〜終了日)」「稼働曜日」を設定します。工事完了後はユニットを閉鎖するだけでシフト生成から除外されます。
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職人・スタッフを登録し、保有資格・技能をタグ設定する「玉掛」「足場」「電気工事士」などのスキルタグを作成し、各職人に付与します。シフト生成時に、必要資格を持つ職人のみが配置候補として選ばれます。
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現場ごとの日次需要(必要人数・職種)を設定する現場ごとに「〇月〇日〜〇日は型枠工3名・解体工2名」という需要(Demand)を設定します。工程表をもとに1〜2週間先まで設定しておくと、AIが自動的に過不足なく割り当てます。
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シフトを生成・確認してLINE WORKSで通知生成されたシフトをガントチャートで確認。当日の変更が生じた場合はその場で修正し、影響するスタッフにLINE WORKSで変更通知が届きます。
3. 職種・資格別の配置制約
| 設定する制約 | 内容の例 |
|---|---|
| 必須スキル配置 | 高所作業を含む日は「足場組み立て作業主任者」を1名以上配置 |
| 資格保有者の配置上限 | 有資格者が1現場に集中しないよう、複数現場に分散配置 |
| 経験年数による配置 | 新入り職人は必ずベテランと同じ現場に配置 |
| 移動距離・エリア | 居住地から遠い現場への割り当てを優先度低に設定 |
4. 日次変動が多い現場への対応
天候・発注変更の当日対応フロー
①現場監督がシステムで当日の需要数を変更→ ②AIが代替候補を即座にリストアップ→ ③LINE WORKSで変更連絡→ ④職人がアプリで確認。電話連絡が不要になり、15分以内に全員への周知が完了します。
5. 導入効果
| 業務 | 導入前 | 導入後 | 削減時間/月 |
|---|---|---|---|
| 週次シフト作成 | 3〜5時間/週 | 0.5〜1時間/週 | 約16時間 |
| 当日の人員調整電話 | 毎日1〜2時間 | 15分以内(アプリで通知) | 約30時間 |
| 資格・スキル確認 | 都度確認(手作業) | 0時間(システムが自動チェック) | 約5時間 |