製造業の現場では、月次のシフト作成に管理職が10〜15時間を費やすケースが珍しくありません。3交替制の場合、日勤・準夜・深夜の3ラインを同時に埋めながら、連続夜勤禁止・公休数の確保・有給消化率のバランスを手動で取り続けるのは、まさにパズルを解く作業です。この記事では、そのパズルをシステムに任せる方法を具体的に解説します。
「夜勤が特定の人に集中している」という不満が離職につながる
製造業の離職理由の上位に「夜勤の不公平感」が挙がります。手動シフトは作成者の主観が入りやすく、特定スタッフへの夜勤集中を招きがちです。
1. 工場シフト管理の3大問題
① 夜勤の偏りによるスタッフ不満
手動でシフトを組むと、「作りやすい組み合わせ」を優先してしまい、結果として特定のスタッフに夜勤が集中します。月に夜勤8回のAさんと夜勤3回のBさんが同じ給与帯にいれば、不満が蓄積するのは当然です。
② 連続夜勤・インターバル違反のリスク
労働安全衛生の観点から、連続夜勤は2〜3回以内・夜勤明けから次の出勤まで一定のインターバルを設けることが推奨されています。これを手動で守りながら全員分のシフトを組むのは高度な集中力を要します。
③ 月末の「穴埋め」作業で管理職が残業
前半で油断すると月後半にどうしても埋まらないコマが発生し、管理職が電話で調整しながら残業する——この「月末シフト残業」は工場管理職に共通する課題です。
2. 2交替・3交替制の基本と制約設計
| 交替制 | 時間帯の例 | 設定する主な制約 |
|---|---|---|
| 2交替制 | 日勤 6:00–18:00 夜勤 18:00–6:00 |
夜勤連続3回以内、夜勤月〇回以内、夜勤明け翌日は公休 |
| 3交替制(固定) | 日勤 6:00–14:00 準夜 14:00–22:00 深夜 22:00–6:00 |
深夜連続2回以内、日勤→準夜→深夜の順行ローテーション推奨 |
| 3交替制(変則) | ライン別に異なる | ライン別最低人数(Demand)、スキル別配置制約 |
「順行ローテーション」が体への負担が少ない
日勤→準夜→深夜の順(正転)は、逆順(深夜→準夜→日勤)より概日リズムへの影響が小さいとされています。パシャシフトでは「連続コマの順序制約」としてこのルールを設定できます。
3. パシャシフトの設定手順
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ラインをユニットとして登録する「第1ライン・日勤」「第1ライン・準夜」「第1ライン・深夜」のように、交替別にユニットを作成します。各ユニットに「最低人数(Demand)」を設定します。例:深夜帯は最低3名必須。
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スタッフを登録し、対応ラインとスキルを設定する各スタッフが担当できるラインと工程(溶接可・組立可など)をスキルタグで登録します。AIはスキルが一致するスタッフのみを配置候補にします。
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夜勤・深夜に関する制約を設定する制約管理から以下を設定します:
・深夜勤務:連続2回以内
・夜勤明け:翌日は必ず公休
・月間夜勤回数:スタッフごとに上限〇回
・夜勤回数の均等化:全員の夜勤回数の差を±1回以内に収める -
有給・希望休を登録するスタッフが希望休申請をアプリから提出します。管理者が代理入力することも可能です。年次有給の計画的付与がある場合は管理者側で事前入力します。
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シフトを自動生成・確認・公開する「シフト生成」ボタンで全コマを一括生成。ガントチャートで確認し、問題があれば個別修正します。確定後はLINE WORKSで全スタッフに自動通知されます。
4. 夜勤回数均等化のしくみ
パシャシフトの制約機能では、「月間夜勤回数の標準偏差を最小化する」という目標を設定できます。これにより、AIが自動的に夜勤回数がなるべく均等になるようシフトを組みます。
均等化の効果:導入前後の夜勤回数分布の変化(例)
導入前:最多8回〜最少2回(差6回)→ 導入後:最多5回〜最少4回(差1回)。
「なぜあの人だけ夜勤が少ないのか」という不満が解消され、定着率改善につながります。
5. 工数削減の試算
スタッフ30名・3ライン・3交替制の工場での典型的な工数変化です。
| 業務 | 導入前 | 導入後 | 削減時間/月 |
|---|---|---|---|
| シフト初稿作成 | 12〜15時間 | 1〜2時間 | 約13時間 |
| 夜勤回数チェック・調整 | 3〜4時間 | 0時間(自動均等化) | 約3.5時間 |
| スタッフへの周知・確認 | 2〜3時間 | 0時間(LINE WORKS自動通知) | 約2.5時間 |
| 月末の穴埋め調整 | 3〜5時間 | 0.5時間(生成時に解消済み) | 約4時間 |
| 合計削減時間 | 月23時間 | ||
管理職の時給換算(3,000円/時)で、月69,000円分の工数が削減できる計算になります。スタッフ30名の料金は月3,000円のため、費用対効果は約23倍です。