外国人スタッフを雇用する際、在留資格によって就労できる時間に上限があることはご存知の方が多いと思います。しかし、シフト作成のたびにその上限を意識して確認できているかとなると、自信を持って「はい」と答えられる事業所は多くありません。月末に集計してみて初めて「先月Aさんが週30時間入ってしまっていた」と気づく——これは決して珍しい話ではないのです。
就労時間上限を超えると「不法就労助長罪」に問われるリスクがあります
雇用主側が「知らなかった」では免責されません。資格外活動の上限を超えた就労をさせた場合、3年以下の懲役または300万円以下の罰金の対象となります(入管法第73条の2)。
1. 就労時間超過が引き起こすリスク
- 在留資格取消・強制帰国:スタッフ本人が在留資格を失うリスク。更新拒否につながることも。
- 雇用主の刑事罰:不法就労助長罪として法人・個人とも処罰対象。
- 採用コストの損失:貴重な人材が突然働けなくなり、急な欠員が発生する。
- 風評被害:外国人労働者の適正雇用への対応が社会的評価に影響するケースも。
2. 在留資格別・就労時間制限一覧(2025年現在)
| 在留資格 | 就労時間の上限 | パシャシフトへの設定値 |
|---|---|---|
| 留学(資格外活動許可) | 週28時間以内 (長期休暇中は週40時間まで) |
週の最大労働時間:28h (長期休暇期間は40hに変更) |
| 家族滞在(資格外活動許可) | 週28時間以内 | 週の最大労働時間:28h |
| 特定技能1号(全分野) | 制限なし(フルタイム可) | 設定不要(通常の36協定制約を適用) |
| 技能実習1〜3号 | 実習計画に基づく (原則フルタイム) |
実習計画の所定労働時間を上限として設定 |
| 介護(在留資格「介護」) | 制限なし(フルタイム可) | 設定不要 |
| 定住者・永住者・日本人配偶者等 | 制限なし | 設定不要 |
「週28時間」は日曜始まりで計算します
多くの事業所が月曜始まりで管理していますが、入管法上の週は日曜〜土曜の7日間です。月をまたぐ週は特に注意が必要です。パシャシフトでは週の開始日を設定できます。
3. パシャシフトでの設定手順
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スタッフの在留資格を確認・記録する採用時に在留カードのコピーを取り、在留資格の種別と資格外活動許可の有無を確認します。パシャシフトのスタッフ管理画面の「メモ欄」に資格種別・有効期限を記録しておきます。
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制約管理から「週の最大労働時間」を設定する「制約管理 → 個人別制約 → 週の最大時間」から、留学・家族滞在ビザのスタッフに「28時間」を設定します。設定後は、シフト生成時に自動的にこの上限が守られます。手動で組んだシフトが超過する場合もアラートが表示されます。
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長期休暇期間は上限を40時間に変更する大学・専門学校の長期休暇期間(夏季8月、冬季12〜1月、春季3〜4月が一般的)は週40時間まで就労可能になります。この期間に合わせて一時的に制約値を変更し、フルタイムシフトに入れることができます。
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在留期限のリマインダーを設定する在留カードの有効期限をスタッフ情報に登録しておき、期限の2か月前に管理者へ通知が届くよう設定します。更新手続き中は「就労継続可」の確認が必要です。
4. 複数事業所掛け持ちの注意点
留学・家族滞在ビザのスタッフが他の職場でも働いている場合、全事業所の就労時間を合算して週28時間以内に収める必要があります。自社だけで管理していると、他社で既に20時間入っているスタッフに自社でも15時間入れてしまう——というミスが起きます。
採用時・シフト作成前に必ず確認する3つのこと
①他の事業所での平均週労働時間、②在留カードの有効期限、③資格外活動許可証の有無。
これを書面(同意書・申告書)で確認しておくことが、万が一の際に雇用主の善意を示す証拠になります。
5. 採用時のチェックリスト
| 確認項目 | 確認方法 | パシャシフトへの反映 |
|---|---|---|
| 在留資格の種別 | 在留カードの「在留資格」欄 | スタッフメモ欄に記録 |
| 資格外活動許可の有無 | 在留カード裏面の記載または「資格外活動許可書」 | 週上限時間の設定値を決定 |
| 在留期限 | 在留カードの「在留期限」欄 | 期限2か月前のリマインダー設定 |
| 他事業所での就労時間 | 本人から書面で申告してもらう | 自社の週上限を(28h − 他社時間)に設定 |
| 学校の長期休暇期間 | 通学先の学校カレンダー | 該当期間の週上限を40hに変更 |