特別養護老人ホーム(特養)やグループホームでは、24時間365日・一日も休まない体制を少人数のスタッフで回さなければなりません。夜勤帯の最低人員基準を守りながら、スタッフの夜勤回数を均等に保ち、さらに介護職員処遇改善加算の申請に必要な勤務実績を記録する——この三重の要求を手作業で満たそうとすると、主任・ユニットリーダーが月末に深夜まで残業するという事態が全国各地で起きています。この記事では、パシャシフトを使ってこれらの要求を自動化する手順を解説します。
1. 入所型介護施設のシフト管理の複雑さ
① 24時間365日の穴なし配置
入所型施設では、早番・日勤・遅番・夜勤の4区分(施設によって5区分)が毎日途切れなく必要です。1コマでも欠員が出ると入居者の安全に直結するため、絶対に穴を開けられないプレッシャーが管理者にかかります。
② 夜勤帯の最低2名以上の確保
厚生労働省の基準上、夜勤帯は入居者数に応じた最低人員を確保する義務があります(例:30名以下で夜勤者1名、31名以上で2名以上)。この基準を下回るシフトは届出違反となるため、法的にも絶対に外せない制約です。
③ 介護度別フロアのスキル配置
特養では介護度3〜5の重度ケアフロアと、比較的軽度のフロアで必要なスキルや経験が異なります。「重度ケア経験者は必ずAユニットに配置」という制約を手作業で毎月守るのは、スタッフが増えるほど困難になります。
2. 介護職員処遇改善加算とシフト記録
介護職員処遇改善加算(処遇改善加算I〜V)や介護職員等ベースアップ等支援加算を取得・維持するためには、勤務実績の記録と研修参加記録の整備が求められます。
従来は「シフト表から手動で勤務実績を転記してExcelに集計する」という作業が毎月発生していましたが、パシャシフトでは確定済みシフトのCSV出力が可能なため、この転記作業をゼロにできます。
3. 設定手順
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フロア・ユニット別にユニットを登録する「Aユニット・早番」「Aユニット・日勤」「Aユニット・夜勤」のようにフロア×時間帯でユニットを作成します。各ユニットに曜日別の最低必要人数(夜勤は最低2名など)を設定します。
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夜勤制約を設定する制約管理から以下を設定します:夜勤連続2回以内、夜勤明け翌日は必ず公休(明け休み)、月間夜勤回数の上限設定、夜勤回数の均等化(全員の差を±1回以内)。
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スタッフにスキルタグとフロア所属を設定する「重度ケア経験あり」「夜勤可」「介護福祉士」などのスキルタグと、担当フロアの所属設定をします。AIはスキルと所属が一致するスタッフのみを各ユニットの配置候補にします。
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シフトを生成・確認・公開する「シフト生成」ボタンで全ユニット分を一括生成。夜勤要件不足や制約違反は赤くハイライトされます。確定後はLINE WORKSでスタッフ全員に自動通知。月次の勤務実績はCSVで出力可能です。
4. 夜勤回数均等化の効果
パシャシフトの制約機能では「月間夜勤回数の最大・最小の差を1回以内に収める」という目標を設定できます。AIが自動的に夜勤が特定のスタッフに集中しないようシフトを調整します。
5. 工数削減試算
スタッフ25名・2フロア・4区分シフトの入所型施設での典型的な工数変化です。
| 業務 | 導入前 | 導入後 | 削減時間/月 |
|---|---|---|---|
| シフト初稿作成(全フロア) | 10〜15時間 | 1〜2時間 | 約12時間 |
| 夜勤回数チェック・均等化調整 | 3〜4時間 | 0時間(自動均等化) | 約3.5時間 |
| 処遇改善加算用実績集計 | 2〜3時間 | 0時間(CSV自動出力) | 約2.5時間 |
| スタッフへのシフト周知 | 1〜2時間 | 0時間(LINE WORKS自動通知) | 約1.5時間 |
| 合計削減時間 | 月約19時間 | ||
主任・ユニットリーダーの時給換算(2,500円/時)で、月47,500円分の工数が削減できる計算です。スタッフ25名の料金は月2,500円のため、費用対効果は約19倍になります。